2018年12月01日

横田広域警察24時〜ガサ入れの日〜

20XX年 都内某所
国内外の複数の機関から、日本国内におけるサイバーテロの兆候が指摘された。兆候というのも珍しいが、分析筋の話によると「承認欲求の強い愉快犯と推定」されたらしい。既に数件の違法ハッキングを確認、ハッカーとしての腕は良さそうだ。
住所は標定できている。荒っぽいやり方もGOが出たので、早めにカタがつきそうだった。
「リズ、拳銃は1911にしてくれ。念のためマグを共用できるようにしたい」今回はサイバー担当のリズが同行する。どうしてもショットガンを撃ちたいらしいので、ドアブリーチも任せることにした。
「OKボス、いつものコマンダーだよ。PC壊すならDamm shot使う?」特殊カーボンファイバーの詰まった電子破壊用散弾をシャカシャカ振りながら笑っている。
横田広域警察24時〜ガサ入れの日〜
「いや、ここで新兵器を使うのはもったいないし、できればPCも手に入れたい。ビーンバッグと、バックアップでスラグと00を」「了解しました、sir. シンヘーキはMottainai!」シェルポーチに散弾をねじ込みながらリズが楽しそうに答えた。一体何発持っていくつもりだ…?

ターゲットの住むアパートに到着し、大家の立ち会いの下、お決まりのフレーズを玄関先で唱える。返事がないことを確認し、ブリーチングの準備にかかる。リズがモスバーグの薬室にスラッグ弾を装填した。ジャキンという音を聞いて大家は腰が抜けたらしく、物陰にへたり込んでしまった。
ドアノブに手をかけて回してみると、鍵はかかっていなかった。痛恨のミスだが、反省している暇なんてない。
「Shit!」悪態をつきながらリズがフォアアームを操作し、モスバーグからスラッグ弾を抜く。一流のショットガナーを自負するだけあって、瞬く間にビーンバッグへの再装填を終わらせた。
「Ready」リズの合図と同時に室内に踏み込む。「警察だ、動くな!」「Police! Freeze!」
室内はもぬけの殻だった。各部屋を丁寧にクリアリングしたが、PC以外にめぼしいものは無かった。
本人を確保できなかったが、PCの押収は大成果だ。ラボで解析すれば、有益な情報が出てくるだろう。発砲せずに済んだのもありがたい。
PCを携えて早々に引き上げ、リズはその日のうちに解析に取り掛かった。
翌朝、「はよこい」というメールを受け取って早朝出勤してみると、充血した目を輝かせながらリズが出迎えた。足早にラボに向かう。
「相棒、これ見なよ。こいつヘンだ」
テロの標的は我が国ではなかった。携帯電話の基地局に使用されている不破栄のデバイスを片っ端から乗っ取り、「本国」に大量のウィルスを送り込む…悪党ながら感心するヤツだ。
「これは扱いに困りますね」シフト明けのラボクルーが肩をすくめてみせた。放っておけば国際問題になりかねない。が…。
「解析結果を簡単にまとめてくれ。副長からもウエにいれてもらう。リズはスーツに着替えを…」「OK相棒、オメカシしてスタンバイだね。待ってろよセージヤども!」寝不足でハイテンションになっているリズに缶コーヒーを渡し、オフィスに走った。
数時間後、呼び出しの電話が鳴らなかった代わりに署長室に呼び出され、新たな任務を与えられた。楽勝だが非常に機微なコバートミッションだ。
とりあえずリズを帰らせよう。任務は明日からでも遅くない。
横田広域警察24時〜ガサ入れの日〜




タグ :YPD雑談


Posted by m14gbbshooter at 22:40│Comments(0)
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