2018年11月17日

「戦いの原則」

「戦いの原則」

世界の軍隊の多くは、行動の指針となる「ドクトリン」を持っています。それら各国の軍事ドクトリンにおいてよく紹介されているのが「戦いの原則」です。
戦いの原則は有史以来の人間の闘争から抽出されたものであり、帰納法的アプローチによって導出された原則です。故に、「これさえあれば勝てる」といった無敵の法則ではなく、状況によって組み合わせて用いることが必要です。クラウゼヴィッツのように、原則事項に拘泥して柔軟性を失うことを危惧し、警鐘を鳴らす軍事専門家もいます。
しかし、戦いを考えるにあたって何らかの指針を得ることは有益であると考えます。
今回は、サバイバルゲームに使えそうな内容を戦いの原則から抜粋して紹介します。元ネタはJP-1「Joint Warfare of the Armed Forces of the United States」に示される、米軍の「戦いの原則」です。
「戦いの原則」
1 目的
軍事作戦が達成するべき目的を明確に方向付ける
2 攻勢
戦いの主導権を獲得、維持、発展させる
3 物量
戦闘力を決定的な地点と時点に集中させる
4 戦力の節約
本質的な戦闘力を無駄なく配置させる
5 機動
戦闘力の柔軟な機動により、敵を不利な場所に位置させる
6 指揮の統一
全ての目的を一人の責任ある指揮官のもとで統合させる
7 保全
敵が不測のアドバンテージを持つことを許さない
8 奇襲
敵が予想していない時期、地点において敵を打撃する
9簡明
計画を簡潔かつ明快に準備する
「戦いの原則」
(「戦いの原則」は、軍の統合性を確保するために統合ドクトリンに記載されるようになった。なお、詳細な解説は、初版(2000年版)APPENDIX Bを参照。)

このうち、2 攻勢、 5機動、 6 指揮の統一、 8 奇襲 について順不同で説明します。

・指揮の統一について
「戦いの原則」
実際の戦争は、単一指揮官の指揮により行われます。サバイバルゲームにそのまま適用することは難しいですが、Unity of Command=「組織戦闘における統一性」と読み替えることでエッセンスを活かしたいと思います。
統一性は・指揮(指揮系統・指揮権)の統一、 ・行動の統一、 ・意識の統一 の3つの要素で成り立ちます。
指揮の統一とは、C4ISRシステムで連結された戦闘システムを単一指揮官が指揮し、単一の目的を達成するために行動するというものです。
行動の統一は、目的/作戦目標を達成するための行動を部隊全体で統一することです。注意しなければいけないのは、画一的な行動を取るということではなく、同一の目的を達成するために組織として行動する、という点です。
意識の統一は、目的達成のために払う注意力、努力の指向する先を同じにすることです。前回述べた「思考の共有」はこれを実現するための方法です。
「戦いの原則」

・攻勢について
「戦いの原則」
戦いの主導権を握ることにより、我の行動の自由を確保するとともに、敵の行動の自由を奪います。たとえ防勢であったとしても主動的アプローチに努め、敵に主導権を渡さないことが重要です。
「戦いの原則」

・機動について
「戦いの原則」
機動の主な目的は、火力を有効に発揮するための地理的優位性を確保することです。戦力の集中を達成し、我の主動を獲得するためには、機動は欠かす事のできない要素です。また、機動力の発揮により集散離合を適切に行うことは、すなわち戦力の発揮とほぼ同義といえるでしょう。
「戦いの原則」

・奇襲について
「戦いの原則」
敵が予期しない時期、場所、方法等で効果的な攻撃を加え、敵に打撃を与えることです。敵の思考を硬直化させ、反撃の準備が整う前に叩くことがねらいです。

以上、ごく簡単に説明しましたが、サバイバルゲームにおける要点を私なりにシンプルにまとめると、
・組織として連携し、一つの目的(フラッグを取る、キルカウントを稼ぐ、なるべく多く生き残るetc.)を目指して戦う。
・いかなる時も攻勢的に戦い、物心両面で劣勢を克服する。可能な限り、敵の裏をかいて攻撃する。
・敵より有利な位置を先に押さえ、敵が有利な状況を作らない。
ということです。
仲間と連携しながら、ガンガン前に出て戦いましょう。

読んでいただき、ありがとうございましたm(_ _)m
ご意見、質問などお待ちしております。






Posted by m14gbbshooter at 20:22│Comments(0)
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