2017年10月01日

横田広域警察24時〜YPD SWAT「JEDI」2〜

横田広域警察24時〜YPD SWAT「JEDI」2〜

横田広域警察24時〜YPD SWAT「JEDI」2〜
※この作品はフィクションです。また、写真は本文と関係ありません。問題がある場合は削除します。
前回の話はこちら
http://m14gbbshooter.militaryblog.jp/e845739.html

〜201X年 中南米のどこか〜
ジェダイは些か困惑していた。手元にはM4とP226、そして愛用しているコールドスチールのナイフ…何故ジャングルの奥地で敵に囲まれ、血と泥と硝煙にまみれるハメになったのか。無線機は壊れ、エマージェンシービーコンも紛失した。いよいよ年貢の納め時かと溜息をつきながら、M4の弾倉を交換した。
横田広域警察24時〜YPD SWAT「JEDI」2〜

〜その数ヶ月前〜
災害派遣から程なくして、ジェダイは空幕広報室に転勤となった。救難隊の上司や同僚は祝福してくれたが、市ヶ谷での仕事は決して面白いものではなかった。本音と建前、しがらみ、プレッシャー…色んな物を抱えての勤務はストレスが溜まる。
そんなある日、毎朝放送の取材が乗り込んできた。「災害派遣についてのドキュメンタリー」嫌な予感はしたが引き受けない訳にはいかない。身構えていたおかげで番組取材はスムーズに終わり、雑談になったところで事件は起こった。
「それにしても、自衛隊さんもけっこう無理をするんですね」笑いながら女性レポーターが語りかけてきた。「去年の地震でヘリに乗ってレポートしていたんですが、気付いたら自衛隊のヘリがいきなり目の前にいたんですよ。ビックリしました」
ジェダイは怒りを抑えながら答えた。「奇遇ですね、実はあのヘリは私が操縦してまして。毎朝放送さんのあまりの無謀な操縦に驚きましたよ。高度を突然変えて、あれじゃぶつかりにきたようなものです。本来なら国交省にニアミスの報告を上げるんですが、それどころではなかったので黙ってました。」すると、ブツブツ独り言を続けていたカメラマンが突然キレ出した。「テメェ、何デタラメ言ってるんだ!俺が悪いとでも言うのか!」顔を真っ赤にしたカメラマンに胸ぐらを掴まれた瞬間、ジェダイは反射的に手を捻り上げ、あっという間に床にねじ伏せていた。
後で聞いた話によると、件のカメラマンは報道ヘリのパイロットに無謀な操縦を強要した張本人で、最近はストレスのせいで薬が必要なほど情緒不安定になっていたらしく、レポーターの前で恥をかかされたと思い激昂したとのことであった。しかしそんな事はどうでもよく、ジェダイの悩みは引きちぎられた制服のボタンの付け直しと、「トラブルを起こした責任」を取らされる事だった。
「ほとぼりが冷めるまで、国外訓練に行かないか?」上司に肩を叩かれ、拒否できる筈もなくトントン拍子で手続きが進んでいった。アウトドア趣味と暇潰しにやっていた筋トレが功を奏したのか「日本版JTACの発展に力を貸してくれ。お前、こういうの得意だろ?」とよくわからない理由で米軍の特殊作戦課程とJTAC課程を受講することになった。
横田広域警察24時〜YPD SWAT「JEDI」2〜

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語学課程では世界各国の軍人と交流を深め有意義な時間となったし、毎朝5時からのPTは特殊作戦課程に向けた体作りに意外と役に立った。
JTAC課程の前に履修を義務づけられていた特殊作戦課程では、年季の入ったM4と、日本ではごく一部の部隊にしか支給されないシグザウエルP226を貸与された。M4もP226もSpec Opsのよしみでシールズから「お客様用」に譲渡されたらしかった。
訓練は座学、実技と詰め込み式で行われ、基礎体力がなければ落第は間違いなかっただろう。

横田広域警察24時〜YPD SWAT「JEDI」2〜

横田広域警察24時〜YPD SWAT「JEDI」2〜

課程修了が近付いたある日、「卒業旅行」という触れ込みで中南米での麻薬カルテル撲滅作戦にオブザーバー参加することを知らされた時は歓声が上がった。いよいよ作戦参加当日、SOP通りに5.56mm弾500発とSTANAG15本、9mm拳銃弾45発と弾倉3本が配分された時、メンバーから遠足気分が消えた。
他の者と同じく、ジェダイもRRVのポーチに弾倉を詰め込み、残りの弾倉はボール紙の弾薬箱と共に背のうに放り込んだ。中古のレンタル品とはいえ自分の命を守る大事な装具なので、アーマープレートやベストの点検は念入りに行った。
MV-22とC-17とCH-47を乗り継いで現地入りする計画で、旅程は順調に進んでいた。が、チヌークに揺られ間もなくLZに到着というところで事件は起こった。地上から飛んできたRPGに撃墜されたのである。
機体へのダメージは辛うじて不時着できる程度で済んだが、ヘリ酔いで後部ランプの隙間から吐こうとしていたジェダイは運悪く1人だけ機外に放り出され、ジャングルへと落下していった。背のうは下ろしていたが、M4をスリングで吊っていたのは不幸中の幸いだった。
トリプルキャノピーに救われ、擦り傷と打撲程度の負傷で済んだが、敵地のど真ん中に放り出されたジェダイは焦った。頼みの綱のPRC-152は壊れて使い物にならない。エマージェンシービーコンもどこかにいってしまった。
「どうする、オレ…」懐かしいCMのフレーズを口にしながら、ジェダイはM4のチャージングハンドルを引いた。

横田広域警察24時〜YPD SWAT「JEDI」2〜
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横田広域警察24時〜YPD SWAT「JEDI」2〜

〜続く〜




タグ :雑談


Posted by m14gbbshooter at 23:57│Comments(0)
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